SERNYA
menu

図書室

セルニャのメンバーが、チベット文学の邦訳作品を中心に本の紹介をするコーナーです。

チベットのむかしばなし しかばねの物語

刊 行 2023年9月15日
著者等 星泉 (編訳)、蔵西 (絵)
出版社 のら書店

しかばねと旅する主人公に課されたのは、しかばねが語るお話がどんなにおもしろくても、口をきいてはいけないということ……。チベットの人々に長く愛されてきた『しかばねの物語』を、親しみやすい日本語訳とさし絵で味わえる1冊です。

チベット女性詩集 現代チベットを代表する7人・27選

刊 行 2023年3月31日
著者等 ゾンシュクキ・ホワモ・チメほか (著)、海老原志穂 (編訳)
出版社 段々社

チベットを代表する現代の7名の女性詩人による27篇の詩を収めた詩集。チベットの女性が現代詩を発表してから40年。妊娠・出産する性である自らの身体を描き、女であることを讃美し、亡命への決意をつづり、これから歩むべき道を模索する。詩は、彼女たちが道を切り開くために必要な「武器」でもあった。詩を通してみえてくる彼女たちの姿には、わたしたちの歩んできた道も重ね合わされる。チベットの女性たちをとりまく事情を知るための7つのテーマ別コラムつき。

ダライ・ラマ六世恋愛詩集

刊 行 2023年3月15日
著者等 今枝由郎・海老原志穂 (編訳)
出版社 岩波書店

ヒマラヤ南麓に生まれた少年はダライ・ラマの化身と認定されながらも、仏教僧としての生活になじめず、自ら還俗。その後、街に繰り出しては恋に明け暮れ、詩を詠う若者となりました。彼は激動の17世紀を生き、23歳でその数奇な生涯に幕を閉じることとなりました。そんなダライ・ラマ6世のものとされる(または彼に仮託された)リズム感溢れる6音節4行詩は現在でもチベットの人々に広く愛唱され親しまれています。恋慕、逢瀬、別れ、再会の願い、といった恋愛の諸相ごとにまとめられた構成は、本書のオリジナルです。6世の人生、そして、その詩の特徴に関する2つの解説も収録しています。

チベット幻想奇譚

刊 行 2022年4月27日
著者等 ツェリン・ノルブほか (著)、星泉+三浦順子+海老原志穂 (編訳)
出版社 春陽堂書店

チベットの現代作家たちが描く、現実と非現実が交錯する物語を集めました。伝統的な口承文学や、仏教、民間信仰を背景としつつ、いまチベットに住む人々の生活や世界観が描かれた物語の数々は、読む者を摩訶不思議な世界に誘ってくれます。時代も、現実と異界も、生と死も、人間/動物/妖怪・鬼・魔物・神の境界も超える、13の短編を掲載した日本独自のアンソロジーです。

路上の陽光

刊 行 2022年3月30日
著者等 ラシャムジャ (著)、星泉 (編訳)
出版社 書肆侃侃房

チベット語チベット文学を牽引する作家ラシャムジャの日本オリジナルの作品集です。10歳の少年が山で父の放牧の手伝いをしながら成長していく姿を描く「西の空のひとつ星」、センチェンジャの横暴におびえる中学校の教室を舞台に気弱な男子ラトゥクが勇気を持つにいたる「川のほとりの一本の木」、村でたった一人の羊飼いとなった15歳の青年が生きとし生けるものの幸せについて考える「最後の羊飼い」、そして日本を舞台にした「遥かなるサクラジマ」など8作品を収録しています。

風船 ペマ・ツェテン作品集

刊 行 2020年12月25日
著者等 ペマ・ツェテン (著)、大川謙作 (編訳)
出版社 春陽堂書店

草原に暮らす羊飼いの家族たち。その穏やかな生活のなかにある、秘められた葛藤と孤独を描く表題作「風船」のほか、仏教的世界観と近代的価値観が混じり合う現実を生きるチベットの人々をユーモラスに、幻想的に、時にリアリスティックに描いた短編6作品を掲載。ほか、自伝的エッセイと、訳者解説も所収。映画監督としても注目されるペマ・ツェテンの小説家としての魅力、そしてチベット文学の魅力を伝えます。

白い鶴よ、翼を貸しておくれ チベットの愛と戦いの物語

刊 行 2020年10月2日
著者等 ツェワン・イシェ・ペンバ (著)、星泉 (訳)
出版社 書肆侃侃房

英語チベット文学の祖、ペンバの遺作 White Crane, Lend Me Your Wings: A Tale of Tibetan Love and War の邦訳です。本作品は1925年に東チベットのニャロンという地にキリスト教伝道のために入った若きアメリカ人宣教師夫妻が、チベットという異文化と真剣に対峙し、布教では挫折しながらも、医療活動と子育てを通じて人びとと交流を深めていくさまを描くとともに、中国に呑み込まれていく激動の時代をチベットの人びとがどう生き抜いたかを、史実をもとに克明にかつチベット人らしいユーモアを交えて描いた長編歴史小説です。

黒狐の谷 闘うチベット文学

刊 行 2017年3月31日
著者等 ツェラン・トンドゥプ (著)、海老原志穂+大川謙作+星泉+三浦順子 (編訳)
出版社 勉誠出版

生態移民、エイズの流行、官僚政治の腐敗……。一読すればリアルなチベット世界が垣間見える。ツェラン・トンドゥプはチベットでも屈指の人気を誇るベテラン作家。ドライで機知に富んだ文体から繰り出される作品の数々は、日本の読者にもきっと楽しんでいただけるはず。チベットのイメージがガラガラと崩れる「毒」があちこちに仕込まれているのでご注意あれ。

ハバ犬を育てる話

刊 行 2015年3月31日
著者等 タクブンジャ (著)、海老原志穂+大川謙作+星泉+三浦順子 (編訳)
出版社 東京外国語大学出版会

とぼけた味わいの、ときにブラック風味をきかせたユーモア小説の名手、タクブンジャ。人間の滑稽さや悲しさ、社会のゆがみなどを犬になぞらえて描いた犬シリーズが有名。他にも魔術的リアリズム風の実験小説あり、かつてチベットの村で起きた悲劇を描いたシリアスな小説あり、と様々なタイプの作品が楽しめる小説集。チベット流の語りの世界に身をゆだねてみてはいかが?

雪を待つ チベット文学の新世代

刊 行 2015年1月26日
著者等 ラシャムジャ (著)、星泉 (訳)
出版社 勉誠出版

読みはじめたらすぐさまあなたの心はチベットの空の下。主人公の「ぼく」に誘われて村の中を駆けまわって愉快痛快。しかし大人になった「ぼく」は都会ですっかり引きこもり。故郷に帰ろうにも帰れない。辛い、辛すぎる。そんな「ぼく」の心を動かしたのは何?チベットの若者の心をぐっとつかんだ人気長編小説を世界初訳!

ティメー・クンデンを探して チベット文学の現在

刊 行 2013年12月3日
著者等 ペマ・ツェテン (著)、チベット文学研究会 (編)、星泉・大川謙作 (訳)
出版社 勉誠出版

小説家として20年のキャリアを持ち、その後半の10年は自身で脚本も書く映画監督としても活躍するペマ・ツェテン。平易な言葉を用いながら芸術性の高い小説や映画を次々と世に送り出し、高い評価を受けています。映画のような小説を書き、小説のような映画を撮る稀有な作家、映画好きの方におすすめします!

ここにも激しく躍動する生きた心臓がある チベット現代文学の曙

刊 行 2012年11月20日
著者等 トンドゥプジャ (著)、チベット文学研究会 (編訳)
出版社 勉誠出版

1980年代前半、彗星のごとくあらわれ、少し古風な美しいチベット語でごく普通の若者たちの姿や民族の誇りを描いた作家トンドゥプジャ。彼の詩や小説は当時の若者たちを熱狂の渦に巻き込みました。チベット現代文学の祖と言われ、絶大な影響を与えたこの作家の作品集は、チベットの「今」を知るためにも必読。目からうろこのチベット文学史解説つき。

north