M村の海抜は2500mほどある。最近の科学的な用語を用いれば、乾燥の強い高山性の気候である。日照は紫外線が強い。年間の平均気温は7.2度前後である。年間降水量251mmから559mmである。四季の変化ははっきりしており、春は乾燥し、空気中の湿度が失われる。夏はそれほど暑くないが長く続かない。秋は雨量が多く湿度が高まる。冬は長く、最も乾燥するだけでなく、朝晩、夏冬の寒暖差が激しい。
以上のように、四季は明瞭であり、春には地面も水も次第に暖かくなり、新芽が出る。夏は色とりどりの花が咲き、イネ科の草やその他の草には葉が茂る。秋は実が大きくなり、黄色い衣をまとう。冬は地面が凍り、雪と氷が景観を彩る。大地は愛情深い母親と同様、人々の成長に合わせた贈り物をくれる。
四季の移り変わりの明瞭さは、農業と牧畜業を営む上で必要な気候変化とも調和している。季節の変化を上手に利用することは、大自然の変化に合わせた生き方であり、自然から生活資源を得て享受することにもなる。季節の変化はこのように、労働の忙しさを平均化し、人々が一息つく機会を与えるのに必要なものである。それだけでなく、自然自体にも成長と休息、修復なども当然、必要である。季節変化は天候変化と関係し、気候変化は農業と牧畜業の仕事と関係がある。そのため、この2つ(季節変化と天候変化)は直接的にM村の生活と関係しており、「人間の苦楽は空の掌中」というM村のことわざの中に(全てが)凝縮されているようだ。M村の場合だと、季節は非常に重要なものである。季節ごとの天候変化が彼らの農牧業による生産生活と直接関わっている。季節ごとに農業と牧畜業の役割と暮らし方は異なる。農業は春と秋は忙しく、夏と冬は多少ゆったりする。牧畜業では冬と春は、大小の家畜には食糧が少なく厳しい季節であるが、夏と秋は肉が肥え、楽しい時である。