M村で主要な公共事業と言えば、毎年2回ほど行われる用水路の補修である。第1部で紹介した通り、M村には上用水路、中用水路、下用水路という大きい用水路が3本あり、それぞれの用水路から、3つある畑の区画それぞれに水を引く。そしてそこから各畑地に水を引くとともに、各世帯の脱穀場と果樹園など水の必要なところに水を供給する。3本の用水路は長く、曲がりくねっており、そこから枝分かれする小水路も多いので、年に2回の補修を行わないと、水路の底に石が溜まったりして、小水路が拡張した結果、大きい方の用水路がぼろぼろになりかねない。だから補修を定期的に行うことは放水を的確に行うために必須なのだ。用水路の補修を担当する者は水路役と言う。用水路の補修は大規模な仕事なので、毎年春の初めと秋の終わりに分けて行う。水路役には必ず1名を各世帯からを出さなければならない。この仕事は1日がかりで行うので、水路役は弁当を持って行く必要がある。