SERNYA
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2. ジャムの地に流れる時間

ラシャムジャ 著、星泉 訳
2-1-1-3. 男性と女性が共同で行う仕事について

すでに述べた通り、そもそも男女の仕事は截然と分かれているわけではなく、M村の各家庭では、男女が共同で行わなければならない部分が数多くある。「人手が多ければきん、口出しが多ければ毒」とことわざにも言うように、大勢で力を合わせれば仕事は格段に楽になる。例えば、土木作業は男女共同で行われるし、種まきや脱穀も男女共同で行われる。保存用肉の屠畜・解体作業では、男性が屠畜・解体をし、女性が内臓を洗う役割を担う。この他にも、男性の仕事場に女性が出て行ったり、女性の仕事場に男性が出て行くことも多い。男女の仕事ははっきりと分かれておらず、共同作業をするものはこれだと特定することは難しい。

まとめると、M村における男性と女性の仕事がそれぞれどのようなものかは、口頭伝承されてきた「知恵がほしいなら父に聞け。食べ物がほしいなら母に頼め」ということわざにあらわれている。(このことわざからわかるのは、)父親の仕事の多くが計画を立てることであり、母親の仕事の多くが実践することであるという性質である。(言い方を変えれば、)父親は天と関わる者であり、母親は地と関わる者なのだ。子供の成長と絡めて言えば、父親のもとでは知識を学び、思考を成長させる。母親のもとでは食から栄養を得て体を成長させるのだ。男性と女性の仕事の役割分担は幾千年もの積み重ねにより習慣として確立してきたもので、この分担は村の自然環境と社会環境に合わせて形成されたものであり、長い時間をかけ、人々が生活を便利にし、改善を続け、時間を有効活用してきた賜物なのだ。これもまたジャムの知恵であり、生活の中では男女どちらかに負担が偏ることのないよう、うまく役割分担をしてきたのだ。

石臼
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