SERNYA
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2. ジャムの地に流れる時間

ラシャムジャ 著、星泉 訳
2-2-2-3. 主のその他の時間

一家の主たちは親しい友人の家に集まることもある。こうした友人のことをM村ではザンサ・ジェンサという。ザンサ・ジェンサは何人かで集まってお酒を飲んで楽しく過ごしたりする。一般に世界中どこであっても、町の規模にかかわらず、その土地に合った居酒屋が少なからずあるものだ。そうした居酒屋は男性たちが一番喜んで集まる場所といえるだろう。しかしM村にはそうした居酒屋といえるようなものはないので、酒好きな男性たちはザンサ・ジェンサの家に集まるのだ。それどころか酒を飲むために酒を飲むとか、酒を飲むために集まるといったこと自体稀で、誰かの家に集まって酒を楽しむのも、もしかするとロサルのお祝いのときか、あるいは集まる家でその日、新築工事や木の伐採、羊の毛刈り、下肥の運搬、脱穀など、大掛かりな仕事があったときになる。こうした仕事は共同作業で行うものなので、放牧集団の仲間や隣近所、ザンサ・ジェンサが集まって仕事の手伝いをする。仕事の合間の休憩時間や、仕事が終わった後に、男性たちが集まって一緒に腰を下ろしてお酒を飲む。M村の人々はお酒を飲む人を悪い人とは見なさないけれども、酔いつぶれて酒癖悪く他人に絡んだり、あるいは普段から酒瓶を離さず、仕事にも真面目に取り組まないような主がいたら、人々は一切尊敬しない。だから生活を大切にする村人たちには酒びたりになるような主は非常に少ないのだ。

まとめると、一家の主の一日は何もすることがなく暇になることもあれば、非常に重く、また急いで終わらせなければならないような仕事もある。詳しい仕事については、M村の四季について述べる際にじっくりと述べるので、ここでは簡単に書くに留めておこう。

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