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白い鶴よ、翼を貸しておくれ チベットの愛と戦いの物語

刊 行 2020年10月2日
著者等 ツェワン・イシェ・ペンバ (著)、星泉 (訳)
出版社 書肆侃侃房

作品紹介

英語チベット文学の祖、ペンバの遺作 White Crane, Lend Me Your Wings: A Tale of Tibetan Love and War の邦訳です。本作品は1925年に東チベットのニャロンという地にキリスト教伝道のために入った若きアメリカ人宣教師夫妻が、チベットという異文化と真剣に対峙し、布教では挫折しながらも、医療活動と子育てを通じて人びとと交流を深めていくさまを描くとともに、中国に呑み込まれていく激動の時代をチベットの人びとがどう生き抜いたかを、史実をもとに克明にかつチベット人らしいユーモアを交えて描いた長編歴史小説です。

著者紹介

ツェワン・イシェ・ペンバ

チベットのギャンツェ生まれ。医師であり作家。1941年にインドのクセオンにあるイギリス式学校に入学して英語を身につけ、1949年にロンドン大学に留学し、医学を学び、卒業後はブータン、インドなどで外科医として活躍。1957年にチベットで過ごした日々をエッセイに綴った『少年時代のチベット』(Young Days in Tiebt)をロンドンで出版。1966年にはチベット人として初めてとなる長編小説『道中の菩薩たち』(Idols on the Path)をロンドンで出版する。その後、創作活動から離れていたが、晩年にようやく実現したチベット旅行をきっかけに、『白い鶴よ、翼を貸しておくれ』(White Crane, Lend Me Your Wings)の執筆に取りかかり、2011年に書き上げたあと、病没(享年79歳)。

訳者からひとこと

異文化への敬意という今最も必要とされていることが最も太い柱となってこの物語を貫いており、宣教師と領主の友情、そしてその息子同士の友情を通じて読者に訴えかけてきます。また、女性たちがしたたかに、また、激しく生きるさまがしっかりと描かれているのも大きな魅力です。そして異なる信条をもつ者同士の哲学的な対話は作家ペンバが真骨頂を発揮しているところです。日本版オリジナルの絵地図と詳細な解説つき。チベットになじみのない学生のみなさんにもぜひおすすめしたい作品です。

ラジオ番組でご紹介いただきました!

2020.11.24
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」火曜OP:宇垣美里、入魂の一冊を紹介!

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