生きとし生けるものすべて、自らの母にあらざるものはなし
仏の教えを胸に自然と共に生きてきたチベットの人々。かれらを取り巻く現代社会の問題や人間関係の複雑さを鋭く捉え、鮮やかにそして時に幻想的に描き出す。実験的な手法でチベット文学に新風を巻き起こした現代文学の旗手、待望の小説集。短篇・中篇をあわせて9作を収録。
1966年、中国青海省黄南チベット族自治州貴南県の牧畜民の家庭に生まれる。海南民族師範学校を卒業後、小学校教諭を務めるかたわら西北民族学院(現西北民族大学)で文学について学び、現在も郷里でチベット語の教員を務めながら執筆活動を行っている。主な著作に『静かなる草原』(青海民族出版社1999)、『衰』(青海民族出版社、2012)の他、「二十一世紀チベット族作家シリーズ」として小説集『三代の夢』(青海民族出版社、2009)がある。