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2022年4月19日(火)

ツェラン・トンドゥプのショートショート

ツェラン・トンドゥプは長編小説の『赤い嵐』、『僕の二人の父さん』などが代表作としてよく知られた東北チベット出身の作家ですが、1980年代から90年代にかけて超短編小説も数多く残しています。ここではそれら一連の作品を「ショートショート」と呼ぶことにしましょう。ショートショートの定義に明確な規定はありませんが、日本語であれば原稿用紙5枚から20枚以下などと雑誌によって制限が設けられているようです。本サイトで紹介するショートショート作品はチベット語原文の書籍で1ページから4ページ程度の長さのものを想定しています。最も短い作品は実に1ページにみたないものもあります。

1990年代以降に書かれたショートショートの一部は、邦訳作品集『黒狐の谷』(2017年, 勉誠出版) にも収録されています (「月の話」、「世の習い」、「復習」、「兄弟」)。本サイトでは、1980年代に書かれたものも含め、これまで邦訳では発表されていない作品を順に紹介していきたいと思います。80年代に書かれた作品は特に、旧習や民衆の盲信に批判的な目を向けるというテーマの作品が多く、時代背景を感じさせるものも多くあります。作品の扱うテーマやストーリー展開についても後々考察していきたいと思っています。

最初に紹介する作品は1994年の作品「ハバ犬」です。リンクをたどってお読みください。

(海老原志穂)
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