SERNYA
menu
  • home >
  • 『花と夢』が刊行されました
2024年8月1日(木)

『花と夢』が刊行されました

花と夢

春秋社の新しいシリーズ〈アジア文芸ライブラリー〉の第一作として、チベットのベテラン女性作家ツェリン・ヤンキーによる『花と夢』が刊行されました。

2000年代、西部大開発の影響を受けて大きく変貌しつつあるラサが舞台のこの小説には、勉学を途中で諦め、働きに出なければならなくなった若い女性たちが、性暴力やハラスメント、ストーカーなどの被害に遭いながらも、何とか現実を受け入れ、苦悩しながらも支え合って生きていくさまが描かれます。著者の描く女性たちの言葉は実に魅力的でいきいきとしており、彼女たちが言葉の力によって困難を乗り越えていくところも魅力的です。

チベット語の小説としては異例の累計2万9千部のベストセラー(日本でいえば50万部に相当)となったこの作品は、男性にも女性にも広く読まれました。女性の書き手がいかに重要であるかを証明した記念碑的な作品とも言えるでしょう。ぜひお手にとっていただければさいわいです。

『花と夢』詳細ページ

(星泉)
north